DVDを買う

 昔観て、それなりに気に入っていたB級コメディを2本買う。今だけ2本で1980円というコピーに乗せられてしまった。『カジノロワイヤル』『ロッキー・ホラー・ショー』の2本。2本とも、まあおバカな内容だが、なんとなく時代というか、歴史というか、その〜、21世紀の今観ると、やっぱり古いというか、いまひとつのりきれないものを感じたな。
 『カジノロワイヤル』はいわゆるジェームズ・ボンドシリーズのパロディ。ピーター・セラーズ、デイビッド・ニーブン、ウディ・アレン、オーソン・ウェールズ、ウイリアムホールデン、デボラ・カー、ウルスル・アンドレスといった豪華キャストで、金のかかったバカ騒ぎを繰り広げてくれる。最近のオースティン・パワーズなんかは、このへんをネタにしているのが手にとるようにわかる。でも、いまひとつというか昔みたいに大爆笑というわけにはいかなかったな。まったく古さを感じさせなかったのは、バート・バカラックの音楽くらいかな。『ルック・オブ・ラブ』はやっぱり名曲中の名曲だな。
 『ロッキー・ホラー・ショー』は昔劇場で観た時は、けっこうわくわくした。最前席に陣取る連中は、劇場参加型ムービーを地でいくように結婚式のシーンではスクリーンに米投げるわ、雨のシーンでは傘をさすわで、とにかく楽しかった。そして怪優ティム・カーリーの出現にはびっくりした。いや〜、楽しい記憶でいっぱいだったんだが。どうもこの手の映画はやっぱり劇場でないと駄目だな。深夜のリビングで一人で観るようなものではない。それとこの映画のパロディにしろ、テーマとしての価値観の転倒や、バイセクシュアリティは、当時としては時代の最先端をいっていたのかもしれない。でも、現代においてはいささか古めかしいということなんだろうな。もはや時代が先いっちゃっているっていうもんだ。
 というわけで、この2本、いずれも時代の枠を突き抜けるような映画じゃなかったっていうことなんだろうな。たぶん、購入したはいいがまず確実にリピートで観ようとは思えない。10年、20年してほんとうにジイサンになって、この映画をもう一度観るって機会があるのだろうか。で、その時に、それなりに笑えるだけの感性が僕にはあるんだろうかな。
カジノ・ロワイヤル [DVD]  ロッキー・ホラー・ショー [DVD]