ソニー・ロリンズ

 レンタルでブルーノートの『ソニー・ロリンズ VOL.1』『ソニー・ロリンズ VOL.2』他4枚借りてきた。で、本日はロリンズをずっと聞いている。例によって定盤チューンの定盤
っていうところなんだろうけど、この2枚すごいね。vol.1はブルーノート・レーベルでのロリンズの最初のリーダーアルバムとのこと。1956年の録音で、この年は有名な『サキコロ』も録音した時期。’56年から’57年はロリンズが26〜27歳の頃で、所謂成熟とは違う、かといって荒削りでもない、若くてなおかつ油がのってきた時期だったんだと思う。
 個人的には『Vol.2』が最高だな。もうギンギンのハード・バップ。サイドメンも充実している。特にJ.J.ジョンソンとのかけあいは素晴らしいの一言だな。一曲目の
『Why don't I』がもうたまらなくいいな〜。出だしのロリンズとJ.J.の掛け合いにしびれる。こう首筋がゾクゾクする感じだ。レコード的にいえば、針をのせたとたんにはじまるハード・バップの至福な時間、みたいな風。
 1以外では3の「Misterioso」5の「You stepped out of a dream」が好みだな。3はモンクの曲で彼自信も参加している。面白いのはバッキングとしてホレス・シルヴァーがいるのに、ピアノソロはモンクがやるというダブルピアノになっているところ。そういやこのアルバムのリズム隊は、シルヴァー(p)、アート・ブレイキー(ds)、ポール・チェンバース(b)の3人。このリズム隊が僕好みだな。おおハード・バップ、おおモダン・ジャズみたいな心地よさがある。
 これまでロリンズって、なんか敬遠してきた印象がある。多分一枚もLP買ったことないし、ジャズ喫茶通いしていた時分にもほとんどリクエストしたこともないもんな。といってもジャズ喫茶にいれば一日一回くらいの頻度では聞くことにはなるんだから、けっこう聞いていることは聞いている。もちろん『サキコロ』はけっこう聞いたけど、これはウォークマン出はじめの頃にダヴィングしたカセットで聞いてたんだな。あとたしかMJQをバックにやったやつだったと思うけど、「スロー・ボート・トゥ・チャイナ」なんかは大好きだった。でもなぜかのめることなくきてしまった。
 思うにそれは、多分僕が若い時分、コルトレーン派とロリンズ派みたいな、強引な区分けがあって、多分に自分はコレトレーン派を自認してたんだな。アハハ、♪バカな話さあ〜♪って長谷川きよし「卒業」みたいなちゃちゃでもいれたくなるよ。あの頃のジャズ半可通の間って、そういうのがいっぱいあったんだな。エヴァンスよりもオスカー・ピーターソンとかさあ、マイルスよりもクリフォード・ブラウンのほうがテクニックがあって断然上だのといったような、たいしてわかってもいないのに粋がったものいいがね。
 それとロリンズの特徴として、ホーキンスばりの男性的な豪快な吹きまくりとか柔らかい音みたいな言い方がけっこうあった。それに対してコルトレーンのもっと硬質な音のほうがなんかしっくりしていたんだと思うよ、若い時分には。
 だもんで、いい齢した今頃になって、ロリンズが良いとかいいだしてるんだから笑っちゃうね。でもしばらく良い出物をあさって聞いてみようかなとも思っています。

ソニー・ロリンズ Vol. 1

ソニー・ロリンズ Vol. 1

     
ソニー・ロリンズ VOL.2

ソニー・ロリンズ VOL.2