娘の発表会

 娘が通っている保育園の毎年恒例の発表会にいってきた。
ここはイメージ・コンサートと称して毎年この時期に、各組ごとに歌、劇(一応ミュージカル仕立て)、朗読といったものをやっている。
 小さな子どもたちの一生懸命な演技は、年々しまりがなくなってきているオヤジの涙腺を刺激してこまる。自分の子どもはもちろんのこと、他の子どもたちの演技でも、例えば集団朗読で宮沢賢治の「雨にもマケズ」とかやられると、もうウルウル状態になってしまう。年長組、年中組とかのけっこう多くの子どものことも、たいてい赤ちゃん時代からよく見知っていたりするから始末に悪い。あの赤ちゃんが、こんなおにいちゃんやおねえちゃんになっているみたいな感慨もあるわけで。
 うちの子どもはアフター・スクールというこの保育園がやっている学童クラブに通っている。もっともこの保育園の開設時に1歳半で入園して以来のおつきあいだからもう六年。長いよね〜。でもこの保育園はかなり特色ある保育をしてくれているので、普通の保育園=託児施設よりも幼稚園とかに近い保育、幼児教育もやっているんじゃないかな。幼稚園の経験がないからなんともいえないけど、へたするとそんじょそこらの幼稚園以上のコンテンツもっているんじゃないかと思う。ある意味、この保育園に通わせていることで、こと娘に関して子育ては成功だったんじゃないかとも思うし、この町に越してきて良かったとさえいえるんじゃないかな。まあ、親が親だしユルユルだからね〜。
 この保育園は園長先生(女性の方で、私より一回り上くらい)が相当な人格者で、子どもの個性とか、親の個性というか社会的環境とかにけっこうな配慮をしてくれる方なので、所謂画一的な保育、幼児教育の押し付けみたいなことがない。その分、多分実際の現場で保育をされている保育士の先生方の苦労は想像できるとは思う。マニュアル的な保育ができれば現場は楽だけど、子どもの個性にあわせた保育となるとたいへんだよね。
 催し物もこの発表会以外でも例えば運動会も大掛かりにやるし、クリスマスコンサートとかもバンドを呼んだりして盛大にやってくれる。夏な夏でサマー・キャンプみたいなものもある。そうしたイベントになるとその準備に先生方は奔走されていて、かなり遅い時間まで仕事をされているようだ。
 保育士の給与や待遇だってそれほど良いわけじゃないだろうから、はっきりいってしんどい仕事だとは思う。子どもはそれぞれけっこうな重いから抱っこだって大変だし、手間はかかるだろうし。かといって人様の子どもを預かっているわけだから、万が一のことも考えて細心の配慮をしていかなくちゃならない。まあ気がぬけない仕事だよね。20代の若い保育士の先生方の日々の仕事を見ていると、歳でいえば、それこそ自分の子どものような年代なんだけど、ほんと頭が下がる。化粧っけの少ない若い保育士とか見ていると、綺麗とかそういうのとは別の意味で輝いていると思う。
 でも、給与も低くて長時間の重労働となると、いくら子ども好きとか幼児教育に情熱とかもっていても、現実に直面して挫折みたいなこともあるだろう。この6年間でも頑張っているな〜と思っていた先生が何人も辞めている。まあ園の方針や園長先生の性格とかとうまくはまる人は長く残るけど、そうでないとなかなか続かないといった側面も当然あるんだろう。
 だいぶん脱線したな。今回うちの子どもは他のアフターの子どもたち(1年生〜5年生まで総勢約40名)と一緒に歌と楽器演奏をした。歌のほうでは『みちくさ』という歌が心に残りました。、♪♪あせらない あせらない♪♪というフレーズが良いな〜。こういう歌を子どもに教えて歌わせる。これがある意味、ここの保育園の教育指導を象徴していると思う。

♪♪ あせらない あせらない ♪♪
♪♪ きみのあるく みちが ♪♪
♪♪ ひとには みちくさにみえたとしても ♪♪
♪♪ あせらない あせらない ♪♪
♪♪ かぜにゆれる はなが ♪♪
♪♪ きみのくるのを まってたんだよ ♪♪


♪♪ あせらない あせらない ♪♪
♪♪ きみのあるく みちが  ♪♪
♪♪ いしころだらけで すてきじゃないか ♪♪
♪♪ あせらない あせらない ♪♪
♪♪ かぜにゆれる はなが  ♪♪
♪♪ きみがくるのを まってたんだよ ♪♪
            新沢としひこ 『みちくさ』
http://www.kt.rim.or.jp/~ask/catalog/ct/a-cdmichikusa.html
http://www.kt.rim.or.jp/~ask/shinzawa/profile.html 

 器楽演奏は『宇宙戦艦ヤマト』とオフ・コースの『さよなら』の2曲。けっこう難しい曲なんだけど、うまく演奏できていた。うちの娘はピアニカだったけど、頑張っていたな。もうこのへんになると、ただのバカ親だな。もうウルウル状態。でも毎年、こうした機会に改めて子どもの成長を確認できることも素適なことだとは思う。