プロメテウスの罠〜原発事故をめぐる米政府の対応

正月明けの朝日新聞は矢継ぎ早にショッキングな記事を一面に持ってきている。 ま1月3日一面で始まった「プロメテウスの罠」の新シリーズである。 「米が懸念」極秘公電 〈プロメテウスの罠〉日本への不信1 1本の極秘公電が、2011年3月14日深夜から1…

原発事故における二つの現場レポート

ルポ イチエフ――福島第一原発レベル7の現場作者:布施 祐仁発売日: 2012/09/28メディア: 単行本(ソフトカバー)死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日作者:門田 隆将発売日: 2012/11/24メディア: 単行本 『イチエフ〜』は昨日率直な読後感を書い…

『ルポ イチエフ 福島第一原発レベル7の現場』

ルポ イチエフ――福島第一原発レベル7の現場作者:布施 祐仁発売日: 2012/09/28メディア: 単行本(ソフトカバー) 「僕等は、被曝することを『食った、食った』と言うんです。作業が終わった後、『0.6(ミリシーベルト)も食っちゃったよ。君は何ミリ食った?…

ゲイ・カルチャーとウェスタン(西部劇)

久々、酔いどれているのでキーボードが走る、流れるかも。1年近く前に購入した内田樹の新書をなぜか最近つらつら読み始めた。といってもきちんと読むのではなく、飯時ビールのお供に流し読みみたいな感じである。最近こうゆうの多いのよね。硬軟とりまぜてね…

『検証福島原発事故 官邸の100時間』

検証 福島原発事故 官邸の一〇〇時間作者:木村 英昭発売日: 2012/08/08メディア: 単行本 夏休み前に購入、昨日、今日で一気読みした。「プロメテウスの罠の」官邸の5日間に大幅加筆したものといっていいのだろうが、とにかく読ませる。アマゾンにもレビュー…

『銀の匙』

五十路のおじさんなんで、このタイトルですっと頭に浮かぶのは中勘助の小説である。10代の頃に一回くらい読んだかもしれないが、あんまり覚えていない。引き出しに入った小箱がどうのと、自分の幼少の頃を思い出して綴っていくような内容だった。美しい文章…

『舟を編む』

舟を編む作者:三浦 しをん発売日: 2011/09/17メディア: 単行本 2012年本屋大賞第一位と大きく喧伝されている。書店人が選んだ「いちばん売りたい本」とはどんなものかと、若干の興味を抱いていた。まして題材となっているのが、辞典の編集という、ある意味出…

『プロメテウスの罠 明かされなかった福島原発事故の真実』

プロメテウスの罠―明かされなかった福島原発事故の真実作者:朝日新聞特別報道部発売日: 2012/03/01メディア: 単行本 朝日に現在も連載中のシリーズによる原発報道報道記事をまとめたものである。連載開始から興味深く読んでいる。ある意味単行本化を待ち望ん…

『ドキュメント福島第一原発事故 メルトダウン』

メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故作者:大鹿 靖明発売日: 2012/01/28メディア: 単行本 朝日新聞からアエラ編集部に出向している大鹿靖明記者による渾身のレポートである。おそらく福島第一原発事故の全貌に最も肉薄しているのではないか。125人にも…

佐々木譲『暴雪圏』『巡査の休日』

暴雪圏 (新潮文庫)作者:譲, 佐々木発売日: 2011/11/28メディア: 文庫巡査の休日 (ハルキ文庫 さ 9-5)作者:佐々木 譲発売日: 2011/05/15メディア: 文庫 年末に久々本屋に寄ったら文庫が出ていたので購入する。もともとは2009年に刊行されていたものとか。同時…

『福島の原発事故をめぐって−いくつか学び考えたこと』

福島の原発事故をめぐって―― いくつか学び考えたこと作者:山本 義隆発売日: 2011/08/25メディア: 単行本(ソフトカバー) 友人に借りたもの。病院の待ち時間で一気読みした。 みすず書房のPR誌『みすず』のために依頼された原発事故についての原稿が少し長め…

『報道災害「原発編]』

報道災害【原発編】事実を伝えないメディアの大罪 (幻冬舎新書)作者:上杉 隆,烏賀陽弘道発売日: 2011/07/28メディア: 新書 こんなものを読んでいるシリーズの続き。9月の後半あたりに読んだ。それこそ一気に読んだ。 なぜマスコミは震災とそれに続く原発災害…

『内部被曝の真実』

内部被曝の真実 (幻冬舎新書)作者:児玉龍彦発売日: 2011/09/08メディア: 新書 国会での参考人としての意見陳述で話題になった児玉龍彦氏の著作である。著作といっても、その国会での発言をまとめたものに、CSのニュースショーに出演したときの質疑を収録、さ…

『福島 原発と人びと』

福島 原発と人びと (岩波新書)作者:広河 隆一発売日: 2011/08/20メディア: 新書 ここのところ読んだ本シリーズ。これも8月後半から9月あたりに読んだ。振り返ると、ここ数ヶ月はほとんど原発関連のモノばかり読んでいる。 著者広河隆一氏はフォトジャーナリ…

『フォト・ルボルタージュ福島原発震災のまち』

フォト・ルポルタージュ 福島 原発震災のまち (岩波ブックレット)作者:豊田 直巳発売日: 2011/08/11メディア: 単行本(ソフトカバー) 最近読んだ本シリーズである。 この本は9月の初旬に読んだ。岩波ブックレットシリーズの1冊、80頁足らずの小冊子なので一…

『上を向いてあるこう』

上を向いて歩こう作者:佐藤 剛発売日: 2011/07/14メディア: 単行本 最近、こんなものを読んだシリーズの1本目。 たぶん8月の後半あたりに一気に読んだ。伝説のヒット曲にして、ある意味昭和時代の、戦後日本の国民的愛唱歌であった曲である。この曲にまつわ…

コルトレーン ジャズの殉教者

コルトレーン――ジャズの殉教者 (岩波新書)作者:藤岡 靖洋発売日: 2011/03/19メディア: 新書 岩波新書でジャズ・アーティストの評伝が出たのである。一昔前ならば、ある種のエポックメーキングだったかもしれない。広く教養一般をうたっている岩波新書でジャ…

「出版大崩壊 電子書籍の罠」

出版大崩壊 (文春新書)作者:山田 順発売日: 2011/03/17メディア: 新書 新聞広告が出ていたので、ついそのコピーにつられて購入、一気に読んだ。そのコピーはほぼ帯についているものがそのまま掲載されていた。 某大手出版社が出版中止した「禁断の書」 元敏…

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら作者:岩崎 夏海発売日: 2009/12/04メディア: 単行本 この本(『もしドラ〜』)のことは、発売当時からずっと気になっていた。そしてかなり売れるだろうとも思った。会社の同僚とかに…

1Q84 BOOK3

1Q84 BOOK 3作者:村上 春樹発売日: 2010/04/16メディア: ハードカバーhttp://www.asahi.com/culture/update/0415/TKY201004150473.html 金曜日は朝からこの話題が職場でもいろいろあった。まだ誰も手にしていないのだが、例えばなにか引用されている本とかな…

『アップル、グーグル、マイクロソフト』

読了する。twitterに書いた短い感想を転載する。 『アップル、グーグル、マイクロソフト』(光文社新書)読了。クラウドの現況がわかりやすく概説されている。とりあえず現況把握には好著だと思う。しかしグーグル、マイクロソフト、アップル。ここではとり…

『クラウド時代と<クール革命>』読了

まあまあ面白かったかな。さっきアマゾンにもレビュー書いてみた。まだアップされないけどだいたいこんな内容。 著者は日本の出版業界でも五指に入る大出版社、角川グループパブリッシングのCEOである。出版業界を代表する経営者が今後の電子出版に対してど…

『警察庁から来た男』読了

午後丸々かけて一気に読みきった。北海道警察ものとしては二作目になるのだが、たぶんこれが佐々木譲モノではこれまでで一番良かったかな。最近はじめたtwitterでもやや興奮気味にこんなことをつぶやいてみたりしてる。 今日は一日のんびり。午後はずっと佐…

『笑う警官』読了

『警官の血』に続く佐々木譲である。面白い、たいへん面白く読めた。以下、巻末西上心太の解説より粗筋を引用。 札幌市内のマンションの一室で発見された女性の他殺体。その部屋は警察が借り上げている秘密のアジトで、しかも被害者は道警本部の防犯総務課の…

『警官の血』

本屋でけっこう平積みされているのを何度も目にしていて、なんとなく面白そうかなの手にとった。2008年の「このミステリーがすごい」の1位だったことも一応知ってはいた。とはいえここ5年くらいはほとんどミステリーの新作手にしていない。それこそ宮部みゆ…

のだめカンタービレ

昨日は午前中歯医者。そのまますぐ家に帰ればいいのに、ちょっと遠回りして久々パチンコなんかしてみた。と、小2時間くらいで14連荘もしたりして、久々2000円の投資で7万も勝ったりして。まあ、ここには書いてないけど2〜3万の負けは日常茶飯のことだから。…

『1Q84』をようやく読み終えて1984年を回想する

発売前にアマゾンに予約をいれ、発売と同時に手に入れたというのに、早三ヶ月近くもたってしまった。これまでだったらどんなに長いものでも二週間程度で読了しただろうに。実際『ねじまき鳥』だってそんな感じだった。 それがなぜにこんなに時間がかかったか…

『1Q84年』について

面白かったかと聞かれれば、面白かったと答えることになる。村上小説の最高傑作かと問われれば、好き好きがあるからとしか答えようがない。それでもこういうご時勢にこれだけ長い小説がミリオン・セラーとなり、社会現象となってしまうことが、そのまま村上…

最後のパレード

一月以上前だろうか、朝日で全5段広告を見て購入した。ディズニー・ランドにまつわる美談、ちょっといい話を集めたものということで。まああれだけの集客があるところだ。美談、泣かせる話はいくらでもあるだろう、あっただろう、あるいはあったかもしれない…

村上春樹の最新長編小説

今日の朝日の朝刊の読書欄をくくっていたら何気にこんな文字が飛び込んできた。 村上春樹の最新長編小説、初夏刊行決定! A New Novel by Haruki Murakami 新潮社の前五段広告の真ん中辺りにこの文字だけ。それも周りの書籍の広告とは異なり余白を大きく残し…