朝起きると

 朝、起きると家に誰もいない。記憶を辿ると確かカミさんはデイの友だちとカラオケに行くと行っていたような気がする。一人運転できる人がいて、身体の不自由な人たちの送迎もしてくれるらしいので、早々に出かけたのだろうか。

 そうなるともう一人の家族、子どもはとなる。多分、部屋にいるのかと思い普通に昼食を作ったのだが、なんとなく家に人気がないので二階に行って声をかけてみるが返事がない。ドア開けるともぬけの殻である。いや、もぬけの殻はちょっと表現が違うか。

 子どももどこかへ遊びに行ったということか。勤めに出るようになってからは、休みの日は疲れてぐたっとしているかというと、意外とそうでもなく都内に出て友だちと茶をしたり、一人で本屋に行ったりとかしているみたいだ。まあ気分転換も必要ということだ。

 気がつくと家に自分一人ということだ。まあ滅多にあることじゃないので、リビングで音楽をかけながら昼食を食べる。なんかしらんが、ずっとスティーリー・ダンの曲をipodを繋いだオーディオでかけてみる。ここ何日か『キッド・シャルメーン』のリー・リトナーのソロ・ギターが気になってしかたなかった。多分、1〜2枚のアルバムとベスト盤あたりを取り込んだので、割とよく知られた曲はたいてい入っている。『FM』とかを聴いているとこのバンドのクオリティの高さを改めて感じる。ドゥービーよりは遥かに上だと思う。

 飯食ってから、とりあえず今日のミッションは休みの日の日課である掃除をすることと決めるがまったくやる気にならない。とりあえず録画してたあまり肩の凝らない映画でも観ようかと思ったりもする。その前にネットでもするか、最近久しく本も読んでいないからちょっとは読みかけの何冊かのどれかを引っ張り出すかと思ったりする。

 しかしここんとこ本当に本を読まなくなった。多分、忙しいせいもあるのだろう。家にいればやれ家事だカミさんの世話だとか次から次へと押し寄せてくる。もちろん仕事は愛も変わらず暇にはならない。もうすぐ決算だし、予算をどうするか、また自分一人でやるのもなんだし、人育てる上でもやらせなくてはとも思う。

 別に仕事を抱えて人にやらせないみたいなことをしているつもりはない。でも、なんていうのだろう、放っておくときちんとやってくれるような人は残念ながら周囲にはいない。自分はけっこう一人で仕事を覚えてきたし、そういうのがスタイルになっている。自分が仕事を引き継いだ時の前任者は、たとえばこれはどうしてこうなるのか、みたいな質問をすると一言「ずっとそうだから」「税理士の先生に言われたから」みたいなことばかりだった。なので、全部自分であたってみる、調べてみる、無手勝流でなんとかやってきた。時間はかかったが、その分、自分自身の血肉にはなったのかもと思わない訳でもない。

 自分で考え、データ類を整理、帳票を整理してきた。パソコン内に散らばっていたデータやファイルもそれなりに整理し、NASを入れてフォルダーも整理した。共有フォルダーも通常業務系と管理系に分け、管理系には一応アクセス制限とかもしてきた。

 こういうことの一つ一つを説明してもけっこう難しい。ただし、例えば決算関係であれば年度ごとにフォルダーを分けて、その中に決算書作成のために必要なファイルを保存している。フォルダーに入りファイルを開けばどういう段取りでデータをとり、入力し集計すればいいかは一応はわかるようになっているはずだ。

 心の声としてはまずはフォルダーに入ってファイルを開いてくれ、そうすれば一通りわかるからと。でもちっとも響かないみたい。これがまあ20代の若者たちにやってもらうのではなく、一応経験を積んだ40代、50代のベテランたちなのに。

 とりあえず今回は絶対的に他の人にやってもらうつもりでいる。自分がいる間に誰かにやらせないと先行き的にもいろいろ大変だし。そうなるともう我慢比べというか、とにかくやってくれるまでひたすら忍耐強く待つ以外にないんだと思ったりする。辛抱できずに自分でやり出したら、これはもう負けか。

 そういう仕事のこととか一頻り考えたりするとあっという間に時間は経っていく。そう、今日は多分夕方くらいまではずっと一人なのである。なかなかない一人の時間を有意義に過ごさなければとか思いつつも、まあ無為に無為に時間は過ぎていく。とりあえず昨日、寝落ちした映画の続きでもみようかと思ったりする。

 しかし、朝起きたら家に誰もいない。ひょっとしたら、カミさんがいて子どもがいるという生活自体が全部夢だったんじゃないか、なんとなくそんな気がしてきた。自分は長いこと夢を見ていた。もともと自分は一人暮らしをずっとしていて家族をもった夢を見ていた。子どもができたのも夢、カミさんが病気になったのも夢、共稼ぎで苦労したのも、子育てしてきたのも、家族で北海道旅行やアメリカ旅行に行ったのも、全部夢だったとか。

 ひょっとしたら仕事も、ずっと本に関わる仕事をしてきたのもやっぱり夢だったのかもしれない。6回の転職、その間に知り合った多くの人たちも全部夢の中の話。本屋で働いたのも、取次や出版社で働いたことも。

 目が覚めて周囲を見渡すと小さな家にたった一人でいる還暦を遠に過ぎたジイさんが呆然としている。なんか浦島的でもある。とりあえずリップヴァンウィンクル症候群と名付ける。大昔、子どもの頃にテレビでリップヴァンウィンクルの映画を観た記憶がある。大男たちがボーリングをしてるとことかなんとなく覚えている。

オンライン会議とか

 勤め先は物流だし、現場だし、多分自分には縁遠いだろうと思っていたのに、いつのまにかリモートというか、ビデオ会議というか、まあオンライン会議を今月になってすでに三本もこなしている。

 新卒一年生の子どもは4月から5月にかけて、研修をリモートでこなしているzoomだかなんだかで毎日部屋で講習を受けていたようだ。「私はいないものと思って」とよく言っていたが、昼の休憩時間以外は朝9時から夜6時まで部屋にこもっていた。

 父はというと、まあ現場仕事なので多分関係ないと思っていた。実際、現業部門はリモートや在宅で仕事をする訳にもいかないし。とはいえ一応感染リスクを避けるため、間引き出勤みたいな形で、社員は週5日勤務のところを3月後半からは週4日勤務に、緊急事態宣言が発出されたあとは週3日勤務にさせたのだけど、あまり業量が減らないものだから、出社している人間には業務が集中して、けっこうしんどい日々が続いた。

 在宅勤務は難しいので非出社日は基本有給にしたのだけど、そうなると出社した日は休んだ分を取り返すためにかなりの仕事をこなさなくてはならない。感染リスクを減らすために休ませているのに、出社すると残業とかまるで本末転倒。

 なぜ有給にしたかというと、休業にすると6割補償になるから。あれ法令のとおりに計算するとかなり安くなる、普通に月給の日割りの6割にはならない。なので有給にするかどうかは従業員に選ばせる形にした。けっこう優しい会社だとは思う。

 ええと、なんの話だっけ、そうオンライン会議である。こっちはそういう現場仕事とはいえ取引先は一気にテレワークを進めてしまったところが多い。そうなると以前は打ち合わせというと、先方に出向いてということが普通だったのだが、オンラインにしましょうとなる。とはいえ最初は、うちはそういう環境がなくてみたいなことを言っていたのだけど、じょじょにそういう訳にもいかなくなる。

 そこでとりあえず最低限の環境整備ということを始めた。でも使っているパソコンはだいたいがデスクトップでwebカメラなんてついてない。稼働しているノートパソコンにもカメラついているのといないのがある。なのでそういう環境があるかハード調べから始める。それからアマゾンとかでUSBのwebカメラをいくつかポチる。でもって、デスクトップパソコンでいくつか試してみる。最初はzoomとかでやってみる。そうするとマシン性能のせいか、途中で画面が固まるとか音が出ないとかいろいろ不具合がでる。

 次に取引先が使っているteamsを使ってみる。グループウェアなんて正直、現場には不向きだとは思うんだが。会社での情報共有なんてスケジュールくらいのことなんで、職制だけはgoogleアカウント設定してgoogleカレンダーを使っている。会議や業務、作業の予定だけでなく、パートさんのシフトなんかも確認できるようにしている。これはこれでけっこう重宝している。

 そこでgoogleアカウントをそのままマイクロソフトのアカウントにして職制だけを対象にしたチームとチャンネルとかも作ったりしてみる。とはいえ小さな会社だからまだオンライン会議なんてまったくやっていない。近接したオフィスや現場のデスクとかでオンラインとかやっても意味はないし。

 まあそうやって最低限の環境整備して、1回目のオンライン会議を取引先とteamsでやってみたのだが、自分が使っているマシンの性能に難ありで、途中から音声だけで画面は固まってしまった。途中で退席された人の画像がそのまま残った状態のままだったりとか諸々不具合あって、それでもなんとか1時間ちょっとの会議が終了。

 次には別の取引先のオンライン会議で、これは先方の専用グループウェアに招待してもらって参加したのだが、これが有線LANではまったくダメ。繋がってもブツブツ切れてとても会議にならない。こっちからは3人参加だったのだが、自分ともう一人は早々にリタイア。もう一名は事前に有線LANは実用的でないということで、自宅に戻ってWi-Fi環境で参加。これはうまくいったみたい。

 自分はというと、前日念のために急遽契約して届いたばかりのポケットWi-Fiルーターを慌てて設定し、15分遅れで参加となった。ジジイだけどこういう時の応用力とかは割とあるほうだと思ったりもする。

 そこでその教訓からオンライン会議用にはWi-Fi接続が必要だと思い、ポケットルーターを最大限に使うことにする。そしてWi-Fi接続ができるノートパソコンを数台設定する。これが自分の理解が足りないせいかもしれないが、Wi-Fi接続と社内接続の切り替えや設定をマニュアルでやらないといけないという七面倒臭い手順を踏む。

 通常、Wi-FiだとIPアドレスは自動的にふられるけど、有線LANではマシンごとに固定IPを使っているから、有線とWi-Fiを切り替えるときには一方を無効にするとかけっこう煩雑な訳。おまけにそれぞれのパソコンは社内ネットワークと基幹システム用の専用回線も使っているから、有線LANも2つ使っている。

 なので、急遽、なんか急遽ばっかりだけどオンライン会議やテレワークに対応するために、ノートPCを何台か購入することにした。基本、これまではこういう時には丈夫で長持ちのパナのレッツノートにするのだけど、今回はなんとなくレノボthinkpadにしてみた。レッツノートは自宅では3台ぐらい使っていて、とりあえず頑健だしそこそこの拡張性もあるしとは思っている。でも会社にあるノートパソコンはレノボthinkpadが割と多くて5〜6台あるのかな。E530とかそのへんの古いやつ。たしか最初に総務経理やることになったときに、新規で1台購入して会計ソフトをインストールしたんだったか。

 それからずっと使い続けているのだが、これもまた質実剛健でタフ。まず壊れないし、テンキーがついているのも実用的。なのでそれ以降もE530やE530C、E540とかが割と現場でも使っている。なので今回は同じthinkpadのX1 carbonの中古を4〜5台購入することにした。だいたい2015年くらいの第三世代とかいうやつか。CPUはcore i5の三世代くらいで、中古だとだいたいSSDに換装されているのでそこそこ早い。いつも古いパソコン使っているせいか、爆速とはいわないけど、けっこうレスポンスがいい。

 そのノートにofficeの設定したり、teamsの設定をしたり。これを全部一人でやらなくてはならんのが辛いところ。で、Wi-Fiでの接続と有線LANでの社内接続とかもうまく振り分けできるようにしたりとかして、ちょっとずつ職制にもたせている。

 なので今日、3回目のビデオ会議は割とうまくいった。接続も安定しているし、ファイルの共有とかも特に問題がなかった。とはいえ、会議の中身はというと6名参加だったんだが、取引先の2人と自分がほぼ7〜8割くらい話しているだけで、後の参加者はほとんどオブザーバーみたいなもの。こういうところはオンラインだろうが、リアルだろうが割と一緒の構図からもしれないな。

 まあ今後は、こうしたオンライン会議がどんどん増えていくようにも思う。とりあえずその社内インフラだけは急ごしらえだけど整備しつつあるとは思う。ただしね、これを還暦過ぎ、64歳で多分そう遠くない時期にリタイアしようと思っている自分のような老いぼれがやっていることが、なんとも微妙というか。

休日出勤という罰ゲーム

 午後遅く、急遽会社に来ることにする。

 昼過ぎに掃除をしてそれからのご出勤である。

 仕事はというと、週中にオンライン会議があるのでそのための資料読みと資料作り。取引先から送られてきた資料が、圧縮ファイルで2分割だったので嫌な予感がしていた。画面で全部見るのはしんどいので、印刷してみるとこれがもう半端ない。さすが2分割にしてくるだけある。複合機は1分間に50枚くらい印刷できるので、印刷自体はあっという間なんだけど、みるまに分厚くなる紙の束。終わるとそこにはほぼタウンページ1冊くらいの紙が。

 大会社でしっかりとしたマニュアルを整理しているというのはわかるけど、こういう大分な資料をぼーんと送りつけてきてどうだみたいなのは正直どうかと思う。こんなもの全部読み込むような暇な人いるんだろうかとも。まあ絶対に外せないような上客ではあるんだが、これはないなと思う。

 そこでまずパンチで2つ穴開けてファイリングする。仕様に応じて三分冊にしてみる。それからざっと目を通す(本当にざっと)。こんなものきちんと読み込んだりしてたら、時間いくらあっても足りない、それから業務の流れに応じてインデクスをつけて、確認事項やなんかを付箋メモ貼ったり。途中でしみじみとこれは間違いなく罰ゲームなんだろうなと思い始める。

 

 それから現在の仕事の流れとそれが今回先方から要望されていることによってどのように変わるか、ざっと仕事の流れをフローチャートにしてみる。こういうことになるとあまり使わないパワポの登場となる。しかしたまにパワポ引っ張り出していると、けっこう使い方を忘れている。テキストボックスだの図形だのといじくり、線だの矢印だの引っ張って。まあじょじょに思い出してきて、だいたい1枚の紙芝居作るのに15分くらいか。現場の仕事の流れ、新規業務の大まかな流れ、たぶん換用できる業務の流れとかを図にして3枚。問題点とかそのてをテキストにして1枚。なんだかんだで4枚分くらいの資料をまとめて終了。

 こんなことを64になったジイさんがやっているということに関しては、なんとも微妙な憤りを感じたりもする。もっともこういうのは誰かに言われてやっているのではないので、あくまで自分のためでもあるし、仕事をスムーズに進めていくためでもあるのだけど。しかしこんなことやっていて、仕事辞められるんだろうかとしみじみ思う。

 仕事は、たいていの仕事は、概ね罰ゲームであるというのが今日の教訓。

新型コロナウイルス時系列メモ(2020年1月~6月20日)

2019年
12月31日 中国当局からWHO(世界保健機関)へ原因 不明の肺炎の発生が報告
2020年
1月1日 武漢市海鮮市場(華南海鮮城)を閉鎖
1月5日 武漢市衛生健康委員会が感染者5名、うち7人重症と発表
1月9日 新型肺炎に関する初の死亡例が中国で確認
1月12日 ・中国国内の感染者のうち7例が退院、6例が重症
1月13日 ・タイで最初の感染症例を確認
1月16日 ・日本で最初の感染症例を神奈川県で確認
1月19日 ・中国深セン市で1名の感染を確認
      ・韓国で最初の感染症例確認
1月20日 ・中国深セン市(1名)、北京市(2名)で感染者確認
1月22日 ・米国、中国武漢からの渡航者の入国を5つの空港で制限
      ・WHOが緊急会議
      北朝鮮、中国からの観光客の受け入れを全面停止
      ・中国の感染者440名、死者9名
1月23日 ・WHO、緊急事態宣言を見送り
      武漢市閉鎖、空港、鉄道、フェリーなどの交通機関運行停止
      全日空など複数の航空会社が武漢への運航を停止
1月24日 ・台湾、中国大陸全土への団体旅行を中止
      ・日本、中国湖北省武漢含む)への渡航を中止勧告
      フィリッピン武漢からの観光客500人を強制送還
      ・中国の感染者830名、死者25名
1月25日 ・上海ディズニーランド閉鎖
      ・中国政府、海外旅行を事実上禁止決定(1/27より)。ただし禁止になるのは団体旅行で個人旅行は含まれない
1月26日 香港ディズニーランド閉鎖
      ・日本で4例目の感染症確認
1月27日 ・香港、湖北省からの入境を禁止
      ・日本、新型肺炎を「指定感染症」に指定すると発表
      ・中国の感染者2744名、死者80名
1月28日 ・日本、「新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する厚生労働省対策推進本部会議」を立ち上げる
      ・WHOは世界リスクを「高」に訂正
      ・米国国立衛生研究所新型肺炎のワクチン開発に着手
      北朝鮮、中国からの入国者を一ヶ月間隔離措置へ
      ・中国の感染者4515名、死者106名
1月29日 ・日本政府、武漢への民間チャーター機を派遣、206名が帰国
      厚労省健康フォローアップセンター設置
      ・オーストラリア、新型コロナウイルスの培養に成功
      ・英国、ブリティッシュ・エアライズの中国発着便を全便欠航
      ・中国の感染者5974名、死者132名
1月30日 ・日本政府、武漢への民間チャーター機2便目派遣
      ・WHO、2度目の緊急会議
      ・中国の感染者7711名、死者170名
2月1日 ・フィリピンでコロナ感染の男性が死亡、中国以外で初の死者
      武漢からチャーター便で帰国した日本人から新たに3名の感染が確認。うち1名は再検査での感染確認
2月4日 ・クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の清水港寄港中止
2月7日 ・ダイヤモンド・プリンセス号の感染者4名が静岡県の病院に搬送
     アウトブレイクの可能性を訴えた中国人眼科医李文亮氏が新型コロナウイルス感染で死亡
2月8日 武漢市で入院中の日本人男性が死亡
2月10日 ・韓国政府が日本を含む6国・地域への渡航自粛を要請
2月11日 ・WHOが新型コロナウイルスの正式名称を「COVID-19」と命名
      ・中国での死者1000人を突破
2月12日 新型コロナウイルスの影響により世界最大のモバイル機器見本市「モバイル・ワールド・コングレス」中止が決定
2月13日 崎陽軒、ダイヤモンド・プリンセス号にシウマイ弁当を寄付、乗客に届かず。
2月14日 ・アフリカで新型コロナウイルス感染者が確認
2月15日 ・エジプトで初の感染者が確認
2月16日 ・第36回国技館5000人の第九コンサート中止
2月17日 天皇誕生日一般参賀の中止発表
      東京マラソン2020、一般ランナーの参加中止を発表
2月18日 ・米アップル、新型コロナウイルスの影響により1月に行った決算報告の財務見通し無効と発表
2月19日 ・ダイヤモンド・プリンセス号から新型コロナウイルス陰性の乗客の下船を開始(21日まで)
2月20日 ・イランで初の感染者確認
2月21日 ・サンリオ・ピューローランドが臨時休館を発表
2月22日 イスラエルレバノンで初の感染者確認
2月24日 ・日本国内の専門家会議が「今後1~2週間が瀬戸際」との見方を示す
      ・WHOが潜在的パンデミックの可能性を示唆
2月25日 ・日本政府が新型コロナウイルス対策で基本方針を発表
    ① 今後の国内での健康被害を最小限に抑える上で極めて重要な時期
      ② 企業に対して発熱等の症状がみられる職員等への休暇取得の勧奨、テレワークや時差出勤の推進等を強力に呼びかけ
     ③ イベント等の開催は全国一律の自粛要請を行うものではないが、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の検討を改めて検討するように要請
      ・Jリーグが試合の延期発表
      IOCのディック・パウンド委員が東京オリンピック開催判断の期限を5月下旬と言及した
      ・中国の感染者7万8064人、死者2715名
2月26日 ・日本政府が今後2週間のスポーツ・文化イベントの中止や延期を要請
     ・北海道は新型コロナウイルスで全公立小中学校を2月27日から3月4日まで臨時休業とするよう各市町村教育委員会に要請
      ・日本政府が、韓国・大邱市からの入国拒否の方針を固める
      ・韓国の感染者1146人
2月27日 ・日本政府が3月2日から春休みまで、学校等に臨時休業を要請
2月28日 ・北海道の鈴木知事は「緊急事態宣言」を出し、3週間の間週末の外出を控えるように呼びかけた
      東京ディズニーランド東京ディズニーシーユニバーサル・スタジオ・ジャパンが2月29日から3月15日までの休業を発表
      ・WHOは新型コロナウイルスについての危険性評価「高い」から「非常に高い」に引き上げ
2月29日 ・安倍首相が緊急記者会見
       ① 今後1~2週間は国内の感染拡大防止にあらゆる手を尽くすべき
      ② 世界経済の動向も注視し、そのインパクトに見合う経済財政政策を行う
3月2日 ・全国の学校で臨時休業開始
      日銀総裁談話「今後の動向を注視、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく」
3月4日 ・クルーズ船を含む国内感染者が1000名を超す
3月5日 ・中国、韓国からの入獄者に2週間の待機要請(9日より)
3月6日 PCR検査、公的医療保険適用開始
3月7日 中韓発給済みビザ効力停止
      ・全世界で患者数10万人超え
3月8日 ・大相撲春場所が無観客開催
3月9日 ・専門家会議が現状認識を公表
       ① 爆発的な感染状況には進んでおらず、一定程度持ちこたえている
       ② 感染者数は当面増加傾向、警戒を緩めることはできない
       ③ 北海道の緊急事態宣言に基づく対策の効果を検証、19日をめどに公表
       ・プロ野球開幕の延期決定
       ・イタリア全土で移動制限開始
3月10日 ・日本政府、新型インフルエンザ対策特別措置法改正案を閣議決定
     ・政府、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第2弾発表
① 感染拡大防止策と医療提供体制の整備
     ② 学校の臨時休業に伴って生じる課題への対応
     ③ 事業活動の縮小や雇用への対応
④ 事態の変化に即応した緊急措置等
      ・「緊急事態宣言」可能にする法案を閣議決定
       ・国内感染者1230名(国内感染520人、クルーズ船696名)
3月11日 ・春の選抜高校野球大会中止決定
     ・ディズニーランド、ディズニーシー、USJ休園期間を延長
      うなぎパイ、生産中止
      トム・ハンクス感染
3月12日 ・WHO、新型コロナウイルスパンデミックと宣言
      ・NYダウ、過去最大の値下がり幅となる2352.60ドルに下落
      アメリカ、イギリスを除く欧州からの入国30日間停止
     NBA中止
3月13日 新型インフルエンザ対策特別緊急措置法改正案が国会で可決。「緊急事態宣言」 が可能に
    ギリシャ国内での聖火リレー中止
3月14日 ・安倍首相が緊急記者会見
    ① ストレス解消に屋外へ
      ② オリンピック予定通り
     アメリカ、国家非常事態宣言
 ・カルフォルニアディズニーランド閉鎖(3月末まで)
3月15日 ・イタリアの感染者21157名、死者1441名
・オーストラリア入国後2週間の隔離措置
3月16日 ・国内感染者1526名(内クルーズ船712名)、死者24名
   ・国外感染者152040名、死者5706名
      ・カナダ入国禁止措置発表
・フロリダウォルト・ディズニー・ワールド、ディズニーランド・パリ閉鎖(3月末まで)
3月17日 ・ドイツ、フランス、スイス、オーストリアルクセンブルクデンマークと事実上の国境封鎖
      ・東京都感染者数12名
3月18日 ・東京都感染者数9名
3月19日 アメリカ、カルフォニア州外出禁止令
     ・2月の訪日客58%減の108万人発表
・東京都感染者数7名
3月20日 ・サッカー協会会長田嶋幸三、新型コロナに感染
・東京都感染者数11名
3月21日 ・東京都感染者数7名
3月22日 アメリカ、ニューヨーク州外出禁止令
・トルコ、日本以外の68ヵ国、地域からの航空便乗り入れ禁止
・東京都感染者数2名
3月23日 ・東京都感染者数16名
3月24日 東京オリンピック延期決定
・東京都感染者数17名
3月25日 ・新型コロナ感染の兆候、嗅覚喪失が確認
      ・小池東京都知事緊急会見「週末の外出自粛要請。解除は4月12日までで判断。
      ・英国チャールズ皇太子感染
      ・米歌手ジャクソン・ブラウン感染
      ・東京都感染者数41名
3月26日 東京オリンピックの日程「三週間」で決定予定
・埼玉県、東京行き自粛要請
阪神藤浪晋太郎選手感染
・ディズニーランド、ディズニーシー、休園期間延長。再開は4月20日以降。 USJ、休園期間さらに延長4月12日まで
・東京都新たな感染者47人
3月27日 ・新型コロナで専門家諮問委が対処方針発表。都道府県はクラスターが発生しやすい「密閉空間、密集場所、密接場面」の3条件がそろう集まりの自粛を求めた(三密)
① 換気の悪い密閉空間
② 多数が集まる密集場所
③ 間近で会話や発声する密接場面
・小池東京都知事会見「週末外出自粛要請、平日は自宅勤務。花見など控て」
大阪府が週末のが委縮自粛要請
  ボリス・ジョンソン英首相がコロナウイルスに感染
・東京都感染者数40名
3月28日 ・安倍首相会見「旅行、運輸、外食、イベントで需要喚起とV字回復を」、緊急事態宣言は回避
・イタリア、死者1万人超
・スペイン、死者1日で最多832人。累計5960人
・台湾、全ての交通拠点で体温チェックを4月1日から
・東京都感染者数63名
3月29日 志村けん死去
・東京都感染者数68名
3月30日 ・小池東京都知事緊急会見「夜の接待飲食店は避けて」感染経路不明の患者増
ヴィッセル神戸酒井高徳選手、感染
・東京都感染者数13名
3月31日 ・脚本家、宮藤官九郎感染
アメリカディズニーランド、無期限閉鎖
・東京都感染者数78名
4月1日 新型コロナウイルス感染症対策本部(25回)
     ① 3月6憶枚超のマスク供給。4月は7憶枚の供給確保の見込
      ② 3月1500万枚のサージカルマスクを全国医療機関に配布、4月はさらに1500枚の配布予定
      ③ 布マスクの利用、1憶枚の確保の目途。全国5000万余世帯に1住所あたり2枚ずつ配布を決定
     ・野球解説者、梨田昌孝感染
アメリカジャズトランペッター、ウォレス・ルーニー新型コロナで死去
・東京都感染者数66名
4月2日 ・東京都感染者数97名
4月3日 ・東京都感染者数89名
4月4日 ・東京都感染者数114名
4月5日 ・米国   感染31万2249人 死者8503人
      スペイン 感染13万759人 死者1万2418人
イタリア 感染12万4632人 死者1万5362人
ドイツ  感染 9万6108人 死者 1446人
フランス 感染 9万 853人  死者 7574人
中国  感染 8万2602人 死者  3333人
・東京都感染者数143名
4月6日 ・安倍首相は新型コロナ感染症対策本部会合で、PCR検査の1日の実施数を2万件に増やすと表明
・米歌手、クリスロファー・クロス感染
・東京都感染者数83名
4月7日 ・安倍首相「緊急事態宣言」発出
① 対象は7都府県(東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡)
② 期間は5月6日まで
③ 解除、延長は一定期間経過後、専門家の評価をもとに判断
④ 年封鎖は行わず、経済社会機能は可能な限り維持
⑤ 国民の行動を変え、人と人との接触機会の7~8割削減をめざす
・対象区域の各知事は外出自粛要請や施設の使用停止などの私権の制限を伴う措置が可能になる。
・同時に108兆円の緊急経済対策閣議決定
① 減収世帯への30万円の現金きゅうふ
② 売上が半減した中小・小規模事業者への最大200万円の給付金
※個別補償は行わない方針
・J・K・ローリング、新型コロナウイルスに罹患していたことを発表
・東京都感染者数79名
・英ボリス・ジョンソン首相、新型コロナで容体悪化、集中治療室へ
4月8日 全国知事会「休業損失、国が補償」を提言
・中国武漢、77日ぶり解除
三省堂神保町本店、池袋本店、有楽町店4/8~5/6まで休業
・東京都感染者数144名
4月9日 ・休業要請先、国と東京都が合意
      ・愛知県、特措法に基づく対象区域化を要望
・東京都感染者178名
4月10日 ・東京都休業要請する対象施設を発表
キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、バー、性風俗店、個室ビデオ店、ネットカフェ、漫画喫茶、カレオケボックス、競馬投票券発売所、場外車券売り場、ライブハウス、体育館、水泳場、ボウリング場、スポーツクラブ、マー ジャン店、パチンコ店、劇場、ゲームセンター、観覧場、映画館、演芸場、集会場、博物館、美術館、図書館など
※床面積合計100㎡以下は適切な感染防止対策を施した上で営業
※小中高校など(原則として施設の使用停止)
 ※飲食店などの営業時間の短縮(午前5時~午後8時まで)、酒類の提供は午後7時まで
・神奈川県、東京都の休業要請に同調
・国、30万円給付基準統一
・愛知県、独自に緊急事態宣言
・東京都感染者数188名
4月11日 ・安倍首相、緊急事態宣言の出ている7都府県のすべての企業に対して出勤者 7割減要請
・世界の死者10万人を超える
・東京都感染者数197名
4月12日 テレビ朝日アナウンサー富川悠太(43)が新型コロナウイルスに感染
・東京都感染者数166名
4月13日 ・東京都の休業要請に同調4府県(千葉、大阪、兵庫、福岡)
・東京都感染者数91名
4月14日 IMF世界経済見通しとして2020年の世界全体の成長率を前年比3.0%減と発表。
・政府、30万円給付を拡大して世帯主以外の減収も対象に。
  ・東京都感染者数161名
4月15日 ・東京都感染者数127名
    ・韓国国 第21代韓国国会総選挙において与党共に民主党が圧勝。
紀伊國屋新宿本店休業4/15~5/6まで
・タレント石田純一、新型コロナに感染
      ・米サックス奏者、リー・コニッツ新型コロナによる肺炎で死去(92歳)
4月16日 ・緊急事態宣言を全都道府県に拡大
・安倍首相、公明党山口代表との会談を受け、追加の緊急経済対策として「国民一律10万円」を検討
・ 米国、WHOが中国寄りと批判して拠出を停止
・東京都感染者数149名
・国内感染者数9160名、死者数191名
4月17日 ・東京都感染者数201名
・1世帯2枚の布マスク配布が東京都内で始まる
プロ野球、5月中の開幕断念。セパ交流戦中止決定
4月18日 フリーアナウンサー赤江珠緒、新型コロナ感染
・国内感染者数1万人超える
・全国の妊婦に配布した布マスクに不良品があったと発表
4月19日 ・西村経済再生相、地方の臨時交付金を休業の「協力金」につかるよう方針転換
4月20日 ・政府、補正予算案の閣議決定やり直し。事業規模117兆円に
・米国で原油先物価格が暴落。史上初めてマイナス価格へ
4月21日 ・軽症として自宅療養中の埼玉県の50代男性が死亡
オムロン元社長立石義雄氏、新型コロナ感染で死去(80)
4月22日 ・政府の専門家会議委員釜萢敏氏は、受診の目安とされてきた「発熱後4日自宅待機ルール」を「普段受診されない方でも体調が悪い状態が4日続いたら受診してくださいという趣旨」と発言
・長崎に停泊中のイタリアのクルーズ船で集団感染が判明
4月23日 ・タレント岡江久美子新型コロナによる肺炎で死去(63歳)
・俳優和田周、23日新型コロナによる肺炎で死去、81歳
4月24日 ・臨時休校中の幼稚園、小中学校、高校など全体の9割と発表
大阪府が休業要請に応じないパチンコ店の店名公表
4月25日 相撲協会、高田川親方ら6人の力士の感染を発表
4月26日 ・8月予定の高校総体中止
・国内感染者13439人(+210)、死者372人(+12)
4月27日 ・日銀、国際購入の上限撤廃
・英ボリス・ジョンソン首相公務に復帰
・国内感染者13606人(+167)、死者394人(+22)
4月28日 ・国内感染者13890人(+279)、死者413人(+19)
4月29日 ・加藤厚労相参院予算委員会で受診の目安としてきた「発熱後4日間自宅待機ルール」に関して、国民と保健所の誤解だと発言.
4月30日 補正予算成立(総額25兆円規模)
・安倍首相、緊急事態宣言延長の意向を発表。正式には5/4の予定
・米歌手マドンナ(61)新型コロナ陽性と発表
・国内感染者数14306人(+188)、死者457J人(+22)
5月1日 ・専門家会議、外出自粛の継続提言
① 現時点で爆発的な増加は逃れ、新規感染者数は減少傾向
② 大都市圏から人が移動し、地方で感染が拡大
③ 新規感染者が減少しても、医療現場のひっ迫した状況は解消されない
④ 対策は「感染状況が厳しい地域」と「感染者が十分に減った地域」で区分け
⑤ 感染者が減った地域でも「新しい生活様式」-3密の回避、手洗い、テレワークや時差出勤での長丁場の対応が必要
・ロシア首相ミシュチン、新型コロナ感染と発表
・国内感染者数14572人(+266)、死者486人(+29)
5月2日 厚労省、レムデシビル承認へ
・国内感染者数14879人(+307)、死者517(+31)
5月3日 ・大相撲春夏場所中止へ
・国内感染者数15084人(+203)、死者535人(+18)
5月4日 ・安倍首相記者会見、緊急事態宣言を5/31まで延長と発表
① 緊急事態宣言は31日まで延長。対象は全都道府県
② 13の「特定警戒都道府県」は人との極力8割削減を求める
③ 14日をめどに専門家が地域ごとの感染状況などを分析。可能なら期限前に宣言解除
④ 飲食店などの家賃負担、雇用調整助成金の拡充、アルバイト学生への支援について速やかに追加対策を講ずる
⑤ 商店、文化施設、小規模イベント開催は感染対策を十分に講じた上で再開を認める
※併せてアビガンの5月中の薬事承認を目指す考えを表明
・国内感染者数15261人(+178)、死者556人(+20)
5月5日 ・専門家会議、PCR相談の目安変更へ。重症化しやすい人は風邪症状2日以上の日数をなくし、「37.5度以上」が4日以上としていた発熱の目安も削除を検討
大阪府が休業と外出自粛要請の段階的解除に向けた独自基準を決定
・国内での感染者数15382人(+121)、死者566人(+10)
・世界計、感染者数358万5357人、死者25万1595人
5月7日 ・西村経済担当相、直近1週間感染ゼロを目安に緊急事態宣言解除「17県視野」に
・政府は14日頃に緊急事態宣言解除を専門家に諮る予定
・休業要請26県が緩和
紀伊國屋新宿本店、営業再開
・国内感染者数15586人(+206)、死者590人(+24)
・世界感染者375万4650人、死者26万3861人
5月8日 厚労省PCR相談の目安変更
<これまで> 
① 風邪症状や37.5度以上の発熱4日以上、高齢者、基礎疾患のある人2日程度
② 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある
<今後> 
① 息苦しさや強いだるさ、高熱などの強い症状がある
② 高齢者や基礎疾患のある人などで、発熱やせきなど軽い風邪症状がある
③ 軽い風邪症状が続く(4日以上の場合は必ず)
・米失業率14.7%戦後最悪
・国内感染者数15676人(+90)、死者606人(+16)
・世界感染者384万7278人、死者26万9598人
5月9日 ・国内感染者数15790人(+114)、死者624人(+18)
・世界感染者数394万866人、死者27万4950人
5月10日 ・西村経済再生相、13の「特定警戒都道府県」を除く34県の多く緊急事態宣言解除を視野に
全日本吹奏楽連盟、今秋予定の全日本吹奏楽コンクールを中止
・国内感染者数1万5860人(+70)、死者633人(+9)
・世界感染者402万6729人、死者27万9345人
5月11日 ・安倍首相、雇用調整助成金の日額上限を1万5千円程度まで引上げを検討
新型コロナウイルス再陽性の感染者全国に35人
・安倍首相、検察庁法改正案、今国会成立の意向を示す
・国内感染者数1万5905人((+45)、死者数657(+24)
・世界の感染者数410万3241人、死者28万2728人
5月12日 ・全国121自治体調査、公立小中高校の休校期間、7割5月末まで。9割超が夏休み短縮の検討
トヨタ2021年3月期決算、営業利益8割減の5千億円となることを発表
・国内感染者数1万6065人(+160)、死者678人(+21)
・世界感染者数417万8346人、死者28万6355人
5月13日 ・大相撲三段目力士勝武士(28)、新型コロナウイルス感染で死去
・上場企業で決算発表した526社、1~3月の純利益8割減
・国内感染者数1万6119人(+55)、死者696人(+18)
・世界感染者数426万2799人、死者29万1981人
5月14日 ・安倍首相記者会見、緊急事態宣言を39県で解除すること発表
① 北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫など8県は緊急事態宣言を継続
② 21日をめどに感染状況を分析し、31日の宣言期限前の解除を検討
③ 解除の39県では各地の県知事が休業要請の継続、解除を判断
④ 39県では引き続き都道府県境をまたぐ移動の自粛、在宅勤務の継続、ウイルスへの警戒を求める
⑤ 27日をめどに第2次補正予算とりまとめを指示
⑥ 雇用調整助成金の日額上限を1万5千円まで特例で引き上げ
大阪府、16日より段階的に休業要請を解除へ
・国内感染者数1万6219人(+100)、死者713人(+17)
・世界感染者数435万26人、死者29万7251人
5月15日 ・東京都、特措法に基づく自粛要請を緩和する指標7項目を公表
①新たな感染者数②感染経路不明の割合③週単位の増加比率④重症患者数⑤入院患者数
PCR検査の陽性率⑦受信相談窓口での相談件数
レナウン、コロナ影響で業績悪化により民事再生手続きへ
IOC、1年延期された東京五輪の追加費用を最大8億ドル(約856億円)負担と決定
・国内感染者数1万6269人(+50)、死者729人(+16)
・世界感染者数444万4670人、死者30万2493人
5月16日 ・国内感染者数1万6329人(+60)、死者748人(+19)
・世界感染者数454万3975人、死者30万7736人
5月17日 ・コロナショックで派遣社員の大量雇い止めとなる「5月危機」迫る
・国内感染者数1万6358人(+29)、死者756人(+8)
・世界感染者数463万7130人、死者31万1843人
5月18日 ・1~3月期のGDP1次速報で前期より0.9%減、年率換算で3.4%減
・政府、検察庁法改正案の成立を断念
・国内感染者数1万6390人(+32)、死者768人(+12)
・世界感染者数471万8215人、死者31万5283人
5月19日 ・米、WHO脱退示唆。]WHOのコロナ対応が中国よりと批判
・国内感染者数1万6420人(+28)、死者773人(+5)
・世界感染者数480万6299人、死者31万8599人
5月20日 夏の高校野球選手権甲子園大会中止、新型コロナ影響を考慮
文科省、新型コロナによる学生への支援で留学生は成績上位の3割程度を対象とする説明
・国内感染者数1万6457人(+37)、死者784人(+11)
・世界感染者数490万1773人、死者32万3413人
5月21日 ・政府、大阪、京都、兵庫の近畿3府県を緊急事態宣言解除を決定
・東京、神奈川、千葉、埼玉、北海道の5都道県は緊急事態宣言継続
・国内感染者数1万6547人(+43)、死者799人(+15)
・世界の感染者数500万人を超える
・国内感染者数1万6547人(+43)、死者799人(+15)
・世界感染者数500万1494人、死者32万8227人
5月22日 ・東京都、自粛緩和の3段階のロードマップ発表
ステップ1
博物館、美術館、図書館、体育館、水泳場、ボウリング場
イベント人数50人まで
飲食店の営業時間 朝5時~夜10時まで
ステップ2
自動車教習所、学習塾、劇場、映画館、演芸場、集会場
イベント人数100人まで
飲食店の営業時間 朝5時~夜10時まで
ステップ3
ネットカフェ、漫画喫茶、麻雀店、パチンコ店、ゲームセンター、遊園地
イベント人数1000人まで
飲食店の営業時間 朝5時~夜12時まで
・国内感染者数1万6577人(+30)、死者814人(+15)
・世界感染者数510万7572人、死者33万3032人
5月23日 ・国内感染者数1万6608人(+31)、死者825人(+11)
・世界感染者数521万5253人、死者33万8265人
5月24日 ・政府、5都道府県の緊急事態宣言解除、5/25に判断
・国内感染者数1万6650人(+42)、死者838人(+13)
・世界感染者数531万4625人、死者34万2167人
5月25日 ・政府、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川の5都道県の緊急事態宣言を解除
安倍総理記者会見
① 緊急事態宣言を全国で解除
② 第2次補正予算案を27日に閣議決定
③ 2度目の緊急事態宣言発出の可能性に言及
④ 6月中旬を目途に接触確認アプリを導入
⑤ 9月入学は有力な選択肢の一つ
・国内感染者数1万6671人(+21)、死者852人(+14)
・世界感染者数541万1498人、死者34万5122人
5月26日 ・政府、文化芸術・スポーツ関係者や団体に支援、最大150万円、総額560憶円規模の方針固める
兵庫県加西市新型コロナウイルス対策予算の財源を正規職員から10万円ずつの寄付形式想定
・国内感染者数1万6704人(+33)、死者863人(+11)
・世界感染者数550万8904人、死者34万6508人
5月27日 ・政府は新型コロナウイルス対策を盛り込んだ総額31兆9114憶円の第次補正予算案を閣議決定
・国内感染者数1万6744人(+41)、死者870人(+7)
・世界感染者数559万5091人、死者35万0547人
5月28日 ・米国、コロナ感染死者10万人を超える
・日産、3月期決算赤字6712憶円
・国内感染者数1万6807人(+63)、死者883人(+13)
・世界感染者数569万7334人、死者35万5758人
5月29日 ・政府専門家会議、感染のピークは4月1日頃と公表
・政府、専門家会議の議事録を残していないとした
経産省、緊急経済対策の手続き業務を769億円で民間団体に委託。その大部分を電通に749億円で再委託していた
北九州市で26人の感染者が確認
・国内感染者数1万6882人(+75)、死者890人(+6)
・世界感染者数581万6706人、死者36万437人
5月30日 ・国内感染者数1万6968人(+37)、死者898人(+3)
・世界感染者数606万5624人、死者36万9274人
6月1日 ・G7サミット、9月以降に延期
・国内感染者数1万7005人(+37)、死者900人(+2)
・世界感染者数617万2448人、死者37万2136人
6月2日 ・東京アラート発動(感染34人確認)
・安倍首相「9月入学」を事実上断念
生活保護申請3割像(朝日新聞4月調査発表)
・国内感染者数1万7057人(+52)、死者903人(+3)
・世界感染者数627万4136人、死者37万5711人
6月3日 経産省が「GO TO事業」の委託費の上限を3095憶円で公募していることが判明
・巨人の坂本勇人、大城卓三の2選手が新型コロナウイルスに感染していたと発表
・国内感染者数1万7087人(+30)、死者907人(+4)
・世界感染者数638万5902人、死者38万384人
6月4日 ・小池東京都知事東京五輪簡素化を検討
フジロック・フェスティバル中止
・国内感染者数1万7135人(+48)、死者913人(+6)
・世界感染者数651万4359人、死者38万6111人
6月5日 ・政府は「GO TO事業」公募の見直しを発表
アメリカ5月失業率13.3%
・国内感染者数1万7175人(+44)、死者917人(+4)
・世界感染者数664万2295人、死者39万1295人
6月6日 電通などが請け負った国の「持続か給付金」手続きの相談に応じる会場費40億円の内訳公表せず
・国内感染者数1万7221人(+46)、死者919人(+2)
・世界感染者数674万2875人、死者39万5030人
6月7日 ・国内感染者数1万7260人(+39)、死者919人
・世界感染者数691万14人、死者40万13人
6月8日 経産省、持続化給付金の使途について外部専門家をいれて月内にも検査を発表
・国内感染者数1万7281人(+21)、死者922人
・世界感染者数701万7519人、死者40万2894人
6月9日 高市総務相マイナンバーと個人口座1口座の紐づけ義務化を検討と発表
経産省、持続化給付金の委託の全容把握したのは6/8と発表
・国内感染者数1万7326人(+45)、死者923人(+1)
・世界感染者数712万1700人、死者40万6616人
6月10日 ・国内感染者数1万7364人(+38)、死者925人(+2)
・世界感染者数724万1079人、死者41万1320人
6月11日 ・東京都「東京アラート」解除。第3段階としてカラオケ、遊園地の休業要請を解除
中南米感染者急増140万人
・国内感染者数1万7406人(+42)、死者925人
・世界感染者数736万239人、死者41万6201人
6月12日 ・2次補正予算成立、予備費10兆円
小池都知事が再選出馬表明
・国内感染者数1万7468人(+62)、死者929人(+4)
6月13日 ・世界感染者数751万7427人、死者42万1516人
・国内感染者数1万7513人(+45)、死者931人(+2)
・世界感染者数765万3993人、死者42万5903人
6月15日 ・国内感染者数1万7661人(+148)、死者933人(+2)
・世界感染者数791万5335人、死者43万3490人
6月16日 ・国内感染者数1万7705人(+44)、死者938人(+5)
・世界感染者数804万4683人、死者43万7131人
6月17日 ・新型コロナ対策のための接触通知アプリ、週内にも提供
・国内感染者数1万7749人(+46)、死者939人(+1)
・世界感染者数817万6296人、死者44万3765人
6月18日 ・安倍首相、新型コロナ感染拡大防止のために求めてきた移動自粛の全面解除を表明
・緊急事態宣言解除の際に出した行程により19日から社会経済活動の活動水準を引き上げる
① 県境をまたぐ移動、全国で解除
② イベント開催制限も緩和、展示会やコンサートも最大1千人規模で開催可能
③ 接待を伴う飲食店やライブハウスの営業も条件付きで認める
・国内感染者数1万7821人(+71)、死者941人(+2)
・世界感染者数835万1428人、死者44万9047人
6月19日 プロ野球、無観客で開幕
・国内感染者数1万7879人(+58)、死者959人(+18)
・世界感染者数850万398人、死者45万4215人
6月20日 ・国内感染者数1万7943人(+64)、死者959人
・世界感染者数866万6697人、死者46万66人

ポーラ美術館「モネとマティス-もうひとつの楽園」

 で、美術館再訪第三弾としてポーラ美術館に行ってきました。

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 大好きなモネの作品との再会、そしてここ数年嵌っているマティスである。これは行かない訳にはということで日帰りで行ってきた。今回はカミさんだけでなく子どもも付いてきた。最初何処へ行くか聞いていなかったので、都内の美術館だと思っていたようで、箱根は日帰りで行くとこではないと宣っていたけど。

 一昨日行った西洋美術館と共に、ポーラ美術館は自分にとってはベースになる場所。上野西洋美術館、ポーラ美術館、東京富士美術館の三つは国内でも有数の西洋名画を収蔵しているところでもあり、月替わりで通ってもけっして飽きさせることはないと思う。

 今回はモネとマティスという企画展。それぞれの製作現場、モネの庭とマティスの室内という視点から作品を展示している。モネとマティスは豊富な収蔵作品からポーラ独自だけでのもけっこう切り口としてはいける企画展だが、各地からの貸し出しもあり、モネ、マティスともに国内の美術館、画廊からの貸し出しも多数ある。とはいえコロナ禍の影響で、出展が予定されていて取りやめになっていた作品もかなりあるようで、それをポーラの収蔵作品で関連付けができる名画で埋めているという感じもした。

 まずはポスターにも描かれている看板作品が来ていない。これね。

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『トルコ椅子にもたれるオダリスク

 館内を一周してからこの作品を観ていないことに気づいて監視員さんに思わず聞いてしまったくらい。カラフルな色使いで傑作とも思える作品なんでこれは残念な感じ。なんでもこの作品はパリ近代美術館収蔵品だとか。到着が遅れているのか、あるいは貸し出し中止になったのかはさだかではないけど、コロナの影響はこういうところにも出ている。

 マティスを中心とした企画展は初めてなので、30点近い作品が展示されているのは一種感動ものともいえる。気に入ったものを幾つかあげていくと。

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『赤い室内の緑衣の女』(ひろしま美術館所収)

 これは国内ではポーラ所収の『リュート』と双璧をなす傑作だと思う。装飾的で多彩な色使いはマティスの最盛期の作品だと思う。

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リュート(ポーラ美術館所収)

 そしてマティスの裸婦が圧巻である。

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『赤い背景の裸婦』(みぞえ画廊所収)

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『横たわる裸婦』(ポーラ美術館)

 いずれもオダリスクを題材にしている。マティスの表現はデフォルメ化されることなく、陰影による凹凸の表現は十分に官能的でさえある。かといってこれらの作品がポルノかといえば、これは十分に芸術に昇華されていると思う。この美しさは天才画家の眼差しによって見いだされキャンバスに写し取られた異次元のものだと思う。

 同じ裸婦の関連としてルバスクオダリスクが展示されている。美しい、とほうもなく美しい絵なのだが、この作品は多分ポルノと芸術の境界線上にあるようにも思えた。ラファエル・コランの『フロレアル』で感じたような感覚。それはひょっとしたら見る側の自分の凡庸さに起因するものかもしれないけど。

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バスク『横たわる裸婦』

 モネの作品では、特にポーラ所収では太鼓橋のある睡蓮とか『つみわら』が好きである。国内では埼玉近代美術館も『つみわら』も所収しており、今回の企画展にも貸し出されているが二つを比較すると断然ポーラの『つみわら」がいいように思える。まあこれは完全に個人の感想だけど。

 一昨日行った西美のロンドン・ナショナル・ギャラリー展にも太鼓橋のある睡蓮の絵があり、ポーラのそれを思い出したのだが、改めて比べてみるとこんな感じで、ほとんど同じ構図で多分描いた時間による陰影や明るさの相違があるだけという感じがした。

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ポーラの「睡蓮」とロンドンの『睡蓮』

 あと、西洋美術館常設展のモネの部屋になかった『セーヌ河の朝』『柳』がこちらで観ることができたのはちょっと不思議な感じがした。

西洋美術館常設展

 企画展ロンドン・ナショナル・ギャラリー展を観てから、すいれんで昼食をとる。それから西洋美術館の常設展を観た。ある意味ここが自分にとってはベースのような場所でもある。

 もともと淡路島に健保が契約するホテルがあり、そこに年に1度くらいは行くようになった。そこからほど近い鳴門の大塚国際美術館に通うようになり、そこにある西洋の名画の陶板複製画に魅了されて西洋美術を鑑賞するようになった。

 その後はこの西洋美術館、箱根のポーラ美術館、八王子の東京富士美術館を順繰りに訪れている。このへんがまさにツボというか、自分のベースの場所だ。そして毎年、各地の美術館で開かれる海外美術館の企画展で来日した名画を観る。

 大塚国際美術館の初代館長である大塚正士は、「この美術館で複製画を観て、いつか海外に行きオリジナルに触れていただければ」というような言葉を残している。その言葉に導かれるようにして、海外にこそ行けていないが来日した名画オリジナルに親しみ、国内の主要な美術館周遊を続けている。

 コロナ禍で多くの美術館が開館を自粛していた。なので月に数回は訪れていた美術館巡りも当然お休みしていたのだが、その再開にあたってはやはりベースとなる西洋美術館に来る。なんとなく個人的感慨としては、やっとここに戻ってきたというような心持もある。

 西洋美術館の常設展は本当にいつもの展示作品たちである。その中では初めて目にする新収蔵品たちになんとなく目がいくことになる。

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ブーグロー『クビドの懲罰』、『武器の返還を懇願するクビド』

 ブーグローの板絵である。白地に色鮮やかなに描かれている。展示された回廊には以前同じ画家の『音楽』が展示されていたのを記憶している。

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ダンテ・ガブリエル・ロセッティ『夜明けの目覚め』

 ロセッティは隣に以前からの『愛の盃』が展示されている。堂々としてインパクト溢れるラファエル前派の二枚看板の1人であもある。しかしこの人もまた美人像に対する強烈なイメージがあり、誰を描いても同じ感じになるような気がしてならない。もっともだいたいいつも同じモデルを使っていたという部分もあるのかもしれないけど。

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モーリス・ドニ『ロスマパモン』

 ドニのこの作品は初めてみた。色使いや雰囲気はドニそのものだけど、題材とかがちょっといつもとは違う感じがする。

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リュシアン・シモン『婚礼』

 これも初めて観る絵。リュシアン・シモンはポスト印象派の1人と称されることが多いけど、絵の雰囲気は印象派そのものという感じがする。

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アンソニー・ヴァンダイク・コプリー・フィールディング『ターベット、スコットランド

 イギリス風景画の神髄を見るような感じ。この画家のことはまったくわからないけど、18世紀後半から19世紀中葉にかけて活躍した画家だとか。凡庸かもしれないが、構図、表現ともに申し分ない。

 その他気になった作品を幾つか。

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アンジェリカ・カウフマン『パリスを戦場へと誘うヘクトール

 18世紀に活躍した新古典主義の女流画家。この1枚の絵からも画力の人だったことがうかがえる。ロイヤル・アカデミーの会員にも加わっていたという。残された自画像からはたいへんな美人であったことも美貌と才能に恵まれ、絵画の世界でも成功を収めた人だったらしい。

 そのほかではいつも観ている作品だけど、マルケやヴァン・ドンゲンの作品に心落ち着かせるものを感じる。なんか西洋美術館でこういう絵に触れていると、確かに日常が戻ってきたように実感する。

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西洋美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

 誕生日で自分へのプレゼント、別にそんな意味合いもなくただただ仕事に疲れていたので会社を休む。前日からもう休むことを決めていて、ネットでいろいろ美術館情報とかを調べていると、新型コロナで長らく休館を続けていた国立西洋美術館が今日から再開するという。さらに本来は3月3日から6月14日まで開催されるはずであったロンドン・ナショナル・ギャラリー展も今日から10月18日まで開かれるという。

 ただし、当分の間はソーシャル・ディスタンスを保つため、入場は予約制で事前にネットで期日指定予約券を求める必要があるという。それ以前に前売り券を購入した人は、当日並んで整理券を入手する必要があるという。

 美術館が混雑防止でネット等での事前予約制をとるとういのは最近の流行りのようだ。昨年だったか上野の森美術館で開催されたフェルメール展もそうだったし、ビルの立て直しで久しく休館を続けていたブリジストン美術館は再開と同時に事前予約制をとっている。

 事前予約制は確かに入場者数をきちんと管理できる。長蛇の列をなして名画の前では鑑賞客が目白押し状態を避けるためには有効だ。しかし急に時間が出来たのでふらっと絵を観るために訪れるという小さな幸福は排除される。常に目的的に、きちんといついつ絵を観に行くという形を強いられる。

 そういう意味では自分のような行き当たりばったりな人生を送っている者には、あまり向かないような制度ともいえる。

 なので西洋美術館はダメかとも思ったが、よくよくHPを見ていると身障者と付き添いについては特に事前予約が必要ではないと小さく但し書きがあった。もともと木曜はカミさんはデイケアが休みの日で、この日休んで美術館に行くということになると、もれなくカミさんが一緒ということである。まあカミさんと一緒なら少し待てば入れるかもしれない。休館明け初日で混んでいて入場が難しいということになったら、少し遠いが箱根のポーラに行けばいいかとも思い、でたとこで行ってみることにした。

 でもって、入場はというと簡単にできた。車椅子のカミさん押して手帳を見せると思いのほか簡単に入り口へと案内してくれ、いつものようにエレベーターで下がって入場できた。

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 ロンドン・ナショナル・ギャラリーはイギリスの国立美術館ルネサンス期から近代美術までを網羅する世界的な美術館でもある。そこで収蔵する著名な作品はというと、ヤン・ファン・エイク『アルノルフィーニ夫妻像』、ジョヴァンニ・ベリーニ『レオナルド・ロレダンの肖像』、レオナルド・ダ・ヴィンチ『岩窟の聖母』、ハンス・ホルバイン『大使たち』、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー『雨、蒸気、速度――グレート・ウェスタン鉄道』、ジョルジュ・スーラ『アニエールの水浴』、フィンセント・ファン・ゴッホ『ひまわり』などなど。今回すべて初来日となる作品は総数で61点という。

 しかし、そうした著名作品の中で今回来るのはというとゴッホの『ひまわり』のみである。そのほかではフェルメールの『ヴァージナルの前に座る若い女性』が。やっぱり目玉というか、集客が見込めるのはゴッホフェルメールということなのかもしれない。実際、ゴッホの『ひまわり』は7作があり、そのうちの1作は戦争中に神戸で空襲により焼失している。まあゴッホの代表作であり、作品の金銭的価値は計り知れないものがあるとか。花瓶にヴィンセントと名が書かれているのは本作ともう1点あるだけともいう。まあ代表作といっていいかもしれない。

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 ゴッホ若い頃はムンクと並んで大好きだったのだが、ここ20年くらいでいうとなんとなく冷めたというか、それほどでもなくなってきている。絵画への過ぎる熱情とその表出でもあるような厚塗り画面になんとなく違和感を感じるようになった。その情動的な表現にも昔ほど心動かされることがなくなってきてい。ゴッホははしかみたいなもの。若い時分には夢中にさせるような何かがある。でも齢を重ねることにそうした熱情とは違うものを好むようになるとか適当に思ってみる。

 ロンドン・ナショナル・ギャラリーの収蔵作では個人的にはというとスーラの大作である『アニエールの水浴』、ターナーの『雨、蒸気、速度』なんかが来てくれればと思ったりもする。いずれも徳島の大塚国際美術館で陶板複製画を観て、いつかはオリジナルを観たいと思っていた作品だから。

 それでは今回の企画展今一つだったかというと、そんなことはない。展示のための章立てというかコンセプトもしっかりとしていて判りやすい。そのうえでルネサンス期から19世紀にあたる巨匠たちの名画が粒ぞろいということろだ。

Ⅰ イタリア・ルネサンス絵画の収集

Ⅱ オランダ絵画の黄金時代

Ⅲ ヴァン・ダイクとイギリス肖像画

Ⅳ グランド・ツアー

Ⅴ スペイン絵画の発見

Ⅵ 風景がとピクチャレスク

Ⅶ イギリスにおけるフランス近代美術受容

 気に入った作品を幾つか。

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ティッチアーノ『ノリ・メ・タンゲレ』

 ティッチアーノはイタリア・ルネサンスを代表する画家。この時代の職人的画家はみな画力、才能に溢れている。西洋美術館では確か『 洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ』が常設展示されている。あの絵も人を惹きつける魅力がある名画だとは思う。ただ、サロメというとモローの絵のような線の細い蠱惑的な女性のイメージが強いのだが、ティッチアーノのサロメはなんていうのだろう、たくましいおかみさんみたいな感じである。自分は密かに二の腕かあさんと呼んでいる。

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洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ

  「ノリ・メ・タンゲレ」は聖書にあるエピソードで、復活したイエスに遭遇したマグダラのマリアに対してイエスが言った言葉だとか。曰く「俺にさわるな」くらいの意味で、ようは自分まだ父で神のもとに召されていないからくらいのことらしい。この題材はけっこう多くの画家に取り上げられているのだとか。

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ティントレット『天の川の起源』

 ティントレットも16世紀ルネサンスの画家でヴェネチアで活躍したという。ルネサンス期の絵画では必ず出てくる名前でもある。「天の川の起源」の解説を図録から引用する。

神々の王であるユピテルが、息子ヘラクレスに永遠の命を与えようと企てた物語。ヘラクレスの母アルクメネは(神ではないため)命に限りがのある女性であった。しかし、ユピテルの妻でもある神々の女王ユノの母乳を飲めば、ヘラクレスも神になることができた。ティントレットの作品では、ユピテルが天から急降下し、ユノが眠っている間に赤子のヘラクレスを彼女の乳房に置こうとする場面が描かれている。ヘラクレスが力強く乳を吸うために彼女は目を覚ましたところで、赤子を急いで引き離そうとしている。ゆえにユノの母乳は空へと吹き出し、ヨーロッパで乳の道(ミルキーウェイ)として知られる無数の星の連なり、つまり天の川を生み出したのだ。

 むむむ、天の川=ミルキーウェイにこんな由来があったとは。たしかユピテルは浮気症で、ユノは悩まされていたとも。しかし浮気相手に出来た子どもに寝ている間に乳を吸われるとか、その母乳が飛び散って天の川になったとか、どういう展開とか思わざるを得ない。ギリシア神話おそるべしである。

 画像では見にくいけど、ユノの乳首から白い筋が行くとも飛び散っていて、そこに黄金色の小さな星が描かれている。これがミルキーウェイとは本当にギリシア神話恐るべしである。

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レディ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー

 フランドル派の巨匠にしてイギリス絵画を牽引した肖像画の巨匠という印象のあるヴァン・ダイクである。この人の絵もあちこちの美術館で観た。個人的な印象としては、この人の描く貴族婦人の肖像画はなぜかみんな一緒でおでこで髪の毛がくるくるとしている。肖像画にはリアルに描く人ととにかく美化して同じような美人に描くパターンとかがあるように思うけど、だいたいは後者のパターンが多いようにも思う。ヴァン・ダイクはその先達のような存在かと適当に思っている。

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ジョン・コンスタンブル『コルオートン・ホールのレノルズ記念碑』

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ムリーリョ『窓枠に身を乗り出した農民の少年』